ビジネスモデルの中に「隠れた宝石」を見つける

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相反する論理を統合する第3の方法、「隠れた宝石」を紹介する。最も目立つ収入源や特徴ではない要素でも、やり方次第で新たな強みにできるかもしれない。


 過去2回のブログでは、戦略上のトレードオフを克服する3つの方法のうち2つを紹介した。「ダブルダウン」と「分解」だ。

 3つ目の方法は「隠れた宝石」である。1995年にレッドハット・ソフトウェアを共同設立した、ボブ・ヤングによる統合的戦略を例に説明しよう。彼の目の前には、2つの相反するビジネスモデルがあった。

 1つはレッドハット自身がすでに採用していたビジネスモデルで、多くの「フリーソフト」の競合も同様であった。リナックスをベースとしたソフトウェアをコンパイルし(プログラミング言語で書かれたソースコードを、コンピュータが理解できる形式に変換すること)、それをインストール用のディスクに収め、通信販売で低価格(約15~25ドル)で売る。また、購入者がソースコードにアクセスして自分で変更できるようにする。ディスクを他人に譲渡するのも自由だ。

 このモデルのプラス面は、ユーザーがソフトウェアをにカスタマイズできること、そして購入価格が低いことだ。マイナス面は、事業への参入障壁がまったくないので、常に小規模な競合が多数存在することだ。それゆえ大口顧客には信頼されず、大きな利益を上げている企業は存在しなかった。

 もう一方のビジネスモデルとして、「独自ソフト」があった。特許で守られたソフトを生産し、高価格で販売する方式だ。たとえば、その当時発売された〈マイクロソフト95〉は約200ドルで売られていた。ユーザーはソースコードにはアクセスできず、他人に使わせる権利もない。このモデルのプラス面は、利益率が高くユーザーより優位に立てること。マイナス面は、ユーザー側の購入価格が高く、ソフトをカスタマイズできないことだ。

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