挫折を成功への踏み台に変える3つの方法

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プロジェクトが難しくなるにつれて、挫折や失敗、後退の可能性も高くなる。そのような困難のなかで、マネジャーがチームのやる気、生産性、創造性を維持するためには、いったい何が必要だろうか。


 人々は、自分のプロジェクトに高い意欲を持って臨まなければ、生産性と創造性を最大限に発揮することはできない。我々が明らかにした「進捗の法則」によれば、職場で社員の意欲と満足感を高める要因のうち最も重要なものは、「有意義な仕事に取り組むこと」、そして「進捗を感じること」である。

 進捗は、大きなものでも些細なものでもよい。仕事の意義は、たとえば糖尿病治療を研究するような立派なことでも、顧客の役に立つサービスを提供するようなごく一般的なことでもかまわない。

 裏を返せば、進捗の法則には負の側面もある。職場でやる気や喜び、生産性を損なう最も大きな要因は、挫折や後退、行き詰まりを経験することである。我々の調査結果によれば、調査対象者にとっての「最良の日」(満足感とやる気を大いに感じた日)のうち76%で何らかの進捗が見られ、挫折の報告は13%のみであった。対照的に、「最悪の日」において進捗が報告された日は25%しかなく、挫折があった日は67%に上った。しかも、挫折がやる気に対して及ぼすマイナスの影響は、進捗によるプラスの影響より2~3倍も大きいことがわかった。

 この結果が示す教訓は明白だ。マネジャーは、社員の日々の進捗を支援し、それを妨げる要因を減らすことに最善を尽くさなければならない。しかし、仕事には後退や挫折がつきものだ。今日、組織が生き残るためにはイノベーションが不可欠だが、それは往々にして一筋縄ではいかないものだ。マネジャーが社員のやる気、生産性、創造性を維持するためには何ができるだろうか。ここに3つの方法を提案する。

1.挫折を失敗と捉えるのではなく、挑むべき課題と捉え良き学習機会とする
 人は本来、失敗から学ぶという能力を備えている。しかし多くのマネジャーはこれを忘れ、失敗の責任追及ばかりを考えているようだ。我々の調査に参加した238人のひとり、アルビンが業務日誌につづった言葉を見てみよう。

「このプロジェクトのために私が考案したあらゆる解決策には、コスト面で問題があるようだ。答えが見つからず、苛立ちを抑えることができない。この職場では、答えを見つけられなければ無能とされる」

 アルビンは解決困難な問題を抱えていたが、進捗を感じる機会をまったく持てず、意欲は削がれ、自分が役に立たない人間であると感じてしまった。次に、挫折に対してまったく異なる姿勢を持つ企業で働く、ティムの日誌を見てみよう。

「私はプロジェクト・マネジャーに試験結果を見せて、誤りが1つあったことを報告した。ところが彼は、試験結果を把握することが重要なので特に問題ない、と答えてくれた」

 その後、ティムのチームは目を見張るような成功を収めるに至ったが、アルビンのチームは有効な解決策を見つけることはなかった。

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