人脈の「身内化」を解消し、多様性を保つ
10の方法

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イバーラは、高業績を持続させるリーダーのスキルの1つとしてコラボレーション力に注目し、長年研究を重ねている。そして「コラボレーション・リーダー」となるためには、多様性に富むネットワーク(人脈)を持つことが必須であるという。


 コラボレーション、イノベーション、キャリア構築――どれも人脈が不可欠だ。ところが、多くのエグゼクティブが持つネットワークは、人数こそ多くても、十分な多様性を備えてはいない。

 これまでの15年間、私はINSEADで教えるエグゼクティブの受講生に対してある調査を行ってきた。過去数カ月間に重要なビジネス案件を話し合った相手の名前をリストアップしてもらい、その中で誰と誰が知り合いかを図示してもらったのだ。彼らが挙げた人々のほとんどは、互いに知り合いで、話もする間柄だった。この種のネットワークは、居心地がよく結束力もあるが、要は「身内」である。内向きで、オペレーションに適し(戦略的ネットワークではない)、過去の関係に基づいている。エグゼクティブのこれまでの経歴の産物であり、未来の可能性を示すものではない。この種のネットワークはまた、コラボレーションにもきわめて有害となる。

 コラボレーションに長けたリーダーになるには、次の3つの点で、多様性を持つ(似たもの同士の集まりではない)ネットワークの構築が欠かせない。

 第1に、ネットワークは、コラボレーションにふさわしい機会を知るための最高の手段である。時として、コラボレーションは過大評価されるということを覚えておこう――すべてのプロジェクトがコラボレーションに適しているわけではないのだ。そしてあなたのネットワークの大部分が身内でオペレーション上の付き合いであれば、この広い世界の動きについていけるはずはない。

 第2に、ネットワークは、あなたが見出したコラボレーションの機会に、最高の人材を引き寄せるためのツールである。幅広いネットワークがなければ、プロジェクトに召集するのは変わり映えしないメンバーばかりになるだろう。より革新的で利益の高い結果を得るためには、新人とベテランの混成チームとし、仲むつまじく働くメンバーと、これまで一緒に働いたことのないメンバーを混ぜるとよい。その効果は研究で明らかとなっている。

 第3に、たとえ表立った役割や任務は変わらなくても、ネットワークはビジネス環境や業界の進化に合わせ自分を向上させる助けとなる。実際、これは自分自身を新しい領域へと向かわせる唯一の方法だ。先頃、ゼネラル・エレクトリック(GE)のベス・コムストックは、この見事な例を語ってくれた。「私は、自分のフィルターをたえずリセットして、どんな人たちと知り合うべきかを考えています。8年前は、他社のマーケティング部門とセールス部門のリーダーたちと知り合うことが、私にとって重要でした。当時わが社が、この2部門の見直しを図っていたからです。いまは世界各地でのイノベーションに関心を向け、特にイスラエルや韓国のような国のスタートアップや起業家との人脈づくりを重視しています。彼らはクリーンテクノロジーや個人向けヘルスケアの分野で、よきパートナーになるかもしれないからです」。GEのシニア・バイス・プレジデント兼CMO(最高マーケティング責任者)という肩書は変わっていないが、彼女のコラボレーション力にはますます磨きがかかり、同社もその恩恵に預かっている(本誌2012年4月号「部門横断的に巻き込み高業績を実現する力」ではコムストックの他の事例も紹介している)。

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