イノベーションの「2つのウソと、1つの真実」

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アイデア不足、資源不足、時間の不足――これらをイノベーションの3大阻害要因として嘆く経営陣は多いだろう。しかし本当に問題なのは、このうち1つだけであるという。


 会話のネタとしてよく使われるものに、「2つのウソと1つの真実」がある。自分についてのちょっと風変わりなエピソードを3つ述べて、どれが正解かを当てさせるゲームだ。先日これを私がやった時には、こういう感じだった。(1)私は14歳の時、プロのプログラマーだった。(2)私は野球のリトルリーグでノーヒットノーランを達成したことがある。(3)私はシンガーソングライターのマーク・アンソニーの遠い親戚である。

 経営陣も、意図せずにこうしたゲームをやっている。イノベーションへの取り組みで最大の障害を3つ挙げよと問われると、多くの経営者がきっとこう言うだろう。「わが社には、(1)よいアイデアがない、(2)イノベーションを推進する十分な経営資源がない、(3)イノベーションには時間がかかりすぎる」。だが実際には、この3つのうち真実は1つだけである。

 第1の意見が正しかった企業を私はまだ見たことがない。ほぼすべての会社には、アイデアが溢れている。だが、それに経営陣が気づかないのにはいくつか理由がある。

●現場の第一線にいる従業員から、アイデアを引き出すための仕組みがない。
●アイデアをふるいにかけて選別し、具体化していく体系的プロセスのなかで、当初そのアイデアにあった興奮と活力が削がれてしまう。
●素晴らしいアイデアだが、時期尚早だったために日の目を見ないまま眠っている。

 わが社にはよいアイデアがない、と口にする前に、いまあるアイデアの棚卸しを必ずしてみよう。驚くような発見があるかもしれない。

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