「コラボレーション」は社員にストレスを与えることもある

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アマビールとクレイマーの調査から、職場でのコラボレーションは、社員を愉快にも不快にもさせることが明らかとなった。この現実を考慮せずに協働を推し進めると、うまくいかない場合が多いという。対立を回避してチームワークを最大化するヒントを紹介する。


 問題:現代の世界中の企業において、従業員に「最良の日」と「最悪の日」の両方を経験させるものは何か。

 答え:コラボレーションである。

 我々は以前、毎日の職場での出来事が社員のインナー・ワーク・ライフ(感情、認識、モチベーションの相互作用)に与える影響を調べるために、200人を超えるプロジェクト参加者に日々の業務日誌を提出してもらった。そして、彼らが書き記した「最良の日」に起こった出来事について分析し、それらを「最悪の日」に起こった出来事と比較した。すると、不思議なことがわかった。

 それは、コラボレーション――他者と一緒に働くこと――に関しては、仕事上の他の出来事と同じような結果を得られなかったということである。通常、最良の日に起こった出来事のほとんどは、最悪の日に起こった出来事と対照的なことであった(たとえば、進展と挫折)。気分がよい日には、挫折のような「悪い」出来事よりも、進捗のような「よい」出来事の割合がはるかに高い。気分が悪い日は、その反対だ。しかし不思議なことに、コラボレーションについては、最良の日と最悪の日の両方で顕著なのだ。事実、コラボレーションは最良の日の53%で見られる一方で、最悪の日にも43%にのぼる。興味深いことに、気分がよくも悪くもない標準的な日は、コラボレーションの関連はやや低い(38%)。これは何を意味しているのだろうか。他人と一緒に働くことは、最高でもあり最悪でもある、ということなのだろうか。

 答えはイエスだ。すべては状況次第であるといえる。企業内での部門・部署をまたがるコラボレーションは、カリフォルニア大学バークレー校教授のモルテン・ハンセンが呼ぶところの「規律あるコラボレーション」をマネジャーが確立した時にのみ、よいものになるようだ(ハンセンは典型例として、P&Gの協働イノベーションを挙げている)。これは共通の目標についての合意を含む。我々が調査した企業において、他部署とのコラボレーションが失敗した時にしばしば見受けられたのは、両グループが異なる目標をもっていたことだ。実際、部署同士が敵対している状況も見られた。大手消費財企業に勤務する財務マネジャーの声に耳を傾けてみよう。事業チームの利益率を上げようという彼の努力は、再三にわたり営業チームに阻まれていたという。

「ある主要取引先への価格設定が、事前の承認や検証もなく取り決められていたことを知りました。価格が低すぎたために、この取引先からは損失を被っていたことがわかったのです」

 我々は、このようなことが繰り返しこの事業チームに起こっていたことに気づいた。その理由は、事業チームが利益に基づいて評価される一方で、営業チームは総売上によってのみ評価されることによる。経営陣は、目標の不一致が問題の根本であることがわからなかったようだ――それはチームのパフォーマンスと、社員のインナー・ワーク・ライフの両方に問題を引き起こしていたのである。

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