MBAを持つCEOは、持たないCEOより優秀か?

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INSEAD教授のハーミニア・イバーラとモルテン・T・ハンセンは、世界各地のCEOの業績を独自の手法で分析し、ランキングを発表している。本記事では2010年の調査をもとに、CEOの業績とMBAの相関性を検証している。結果をどう解釈するかは読者にゆだねられるが、MBA教育の意義と妥当性は今後も議論の的になり続けるだろう。


 MBAを持つCEOは、持たないCEOよりもリーダーとして本当に優れているのだろうか。答えは、CEOの年齢次第といえそうだ。

(左)
ハーミニア・イバーラ
(Herminia Ibarra)

INSEAD教授。組織行動学を担当。同校コラ記念講座教授を兼任し、リーダーシップおよび学習理論を担当。

(右)
モルテン・T・ハンセン
(Morten T. Hansen)

カリフォルニア大学バークレー校情報大学院教授、およびINSEAD教授。いずれも経営学を担当。

 2009年、金融危機に対するMBAの責任について、激しい議論が繰り広げられた。これに刺激を受けた筆者らは、MBAの肩書がCEOの総合的なパフォーマンスに影響を及ぼすか否かを分析することにした。CEOの就任以降のパフォーマンスについて2009年に大規模な調査を行ったところ(詳細は本誌2010年5月号「世界のCEOベスト50」を参照。また2013年3月号では「世界のCEOベスト100」も発表)、他の条件が等しければ、MBAを持つCEOのパフォーマンスは持たないCEOよりも少しだけ優れていることが明らかになった。世界各地の2000人のCEOのパフォーマンスを分析し、順位をつけた結果によれば、MBAを持つCEOのランキングは、持たないCEOよりも平均40位高かった(統計的に有意な差)。

 その理由はどこにあるのだろう? MBAで学んだことが実際に企業を率いるうえで役立つ、というだけのことなのだろうか。昨年の議論では、金融危機をもたらした不祥事や戦略破綻の責任はMBA教育にもあると激しく批判されたが、今回の調査結果はMBA教育を正当化するのだろうか。

 いや、たぶんそれほど単純ではないだろう。この問いについて検討するため、過去数十年のMBA教育の変遷を振り返ってみた。ラケシュ・クラーナが示す明白な記録によれば、過去20年の間に大勢の人々がMBAプログラムに殺到した。その間にMBA教育は、ビジネス界に精通した教員によるジェネラリスト育成のためのカリキュラムから、経営の現場を知らない研究者による専門的な(つまりは分析的な)カリキュラムへと変化している。

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