なぜ新任の上級幹部は短期間で離職してしまうのか

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米国ではこの10年、経営幹部は着任後に短期間で離職する傾向にあるという。なぜだろうか。新任のCEOや幹部が新たな組織・環境でうまくやっていくためには、「文化への適応」が最も重要になるという。


コーチへの質問
「私は昇進の階段を上っていく過程で、上級幹部の入れ替わりが激しいことに気づきました。以前は成功していた優秀な人たちが、合格点を取れずに去っていくケースが多いようです。自分が同じ目に遭わないようにするには、どうすればいいのでしょうか」

ゴールドスミス
 今日の幹部社員にとって、これは大きな課題です。どうすれば離職に追い込まれるのを回避できるでしょうか。ナット・ストッダードとクレア・ワイコフは著書The Right Leader: Selecting Executives that Fit(「最適のリーダー:組織にフィットする幹部を選ぶ」)で、この問題について触れています。2人の見解を聞いてみましょう。

ナット・ストッダード&クレア・ワイコフ
 マーシャル、ありがとうございます。この質問者のご意見は、実に正しいのです。入手できたデータを元にすると、新任CEOのうち、64%以上は着任から4年以内に退任し、40%は18カ月以内に去っています。上級幹部全体の離職率は過去10年の間に著しく上昇し、今では50%を超えています。実際、90年代のどの年と比べても、3倍以上です。

 問題は経営幹部の職務遂行能力ではありません。多くの場合、彼らが状況にうまく適応(フィット)できていないということが問題であり、期待されている改革を実現できない理由になっています。ここで言う「フィット」とは、幹部の性質(特に価値観と信条)が、改革を期待されている組織の文化にどれほど合っているかということです。もしリーダーの性質が組織の性質と合致しなければ、ピーター・ドラッカーが最初に指摘したように、フォロワーシップ、すなわちリーダーに従おうとする意識は形成されません。人は価値観を共有できないリーダーを信頼しませんし、信頼できなければ従おうとはしないでしょう。このような適合性の欠如こそ、多くの上級幹部が失敗する原因といえます。

 あなたが昇進や転職の機会を前にして検討しているのなら、自分の技術や能力が組織のニーズと一致するかどうかだけでなく、組織の文化にもうまくフィットできるかどうかを確認することが重要です。その際、考慮すべきことが3つあります。組織全体の文化、あなたがメンバーとなるチームの文化、そしてあなたがリーダーを務めるチームの文化です。

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