組織の創造性を育む3つの要素

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ハーバード・ビジネススクールで経営管理論を担当するアマビールは、職場における人々の創造性、生産性、幸福度、モチベーションの向上を主な研究分野とし、「最も影響力のある経営思想家」トップ50の第18位にも選ばれている。本記事ではパロアルト研究所の黄金時代を振り返り、組織の創造性を育む要素と、それを殺す脅威を明らかにする。


 創造性が脅威にさらされている。この脅威は、タイミングや環境を選ばない。そして現在、多くの企業がこの創造性の不足に直面している。米労働省の統計によると、生産性は向上している。だが、景気回復の途上で人々が職不足にあえぐなか、少ない従業員に多すぎる仕事を強いているようでは、この国の将来は明るくない。先鋭的で有益なアイデアを生み出す創造性がなければ、イノベーション(そのアイデアの実現)は萎れて息絶えてしまうのだ。創造性は、適切な環境で働く適切な人材こそが発揮できる。そして今日、多くの従業員も職場環境も、創造性を発揮する態勢が整っていない。

 私は先日、ゼロックスのPARC(パロアルト研究所)創立40周年を報じる記事を読んで、過去にこの場所がいかに創造性の要素に満ち溢れていたかを思い出した。PARCはシリコンバレーの夜明けを告げる、最初の光だった。筆者がパロアルトに勤務し始めた1973年頃、ここの研究者たちは最初のユーザー・フレンドリーなコンピュータ、レーザー・プリンター、オブジェクト指向プログラミング、パーソナル・ワークステーションを考案しており、イーサネットの基礎技術も開発していた。そして筆者がパロアルトを後にした1977年には、最初のグラフィカル・ユーザー・インターフェース――アイコン、ポップアップメニュー、オーバーラップウィンドウを備え、ポイント・アンド・クリック操作の基礎技術を用いたGUI――が開発されている。つまり現在、ほとんどの人がほぼ間違いなく、1970年代にゼロックスPARCで開花した創造性の産物を何かしら使っているのである。

 なぜゼロックスは、PARCの発明を活用してイノベーションを実現することができず、アップルとマイクロソフトにその大半を奪われるにまかせたのか――誰もが不思議に思ったことがあるだろう。しかし、それらの発明が世界を変えるものであったことに疑いの余地はない。今日の企業の多くがなぜ創造性を欠いているか、PARCと比較することで浮かび上がってくる。

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