投資家が「サステナビリティ・リスク」を
検討すべき理由

1

エコの透明性を高める動きが進むなか、投資家たちもまたリスク回避のためにエコ推進企業を優遇するようになっているという。サステナビリティの取り組みに後れを取る企業は、評判の低下というリスクにさらされ、長期的な成長が危ぶまれるということだ。


 投資家が考慮すべき事項のひとつに、サステナビリティ・リスク・マネジメント(SRM)がある。その基本的な概念は以前から知られていたが、最近になって投資家に突きつけられている新たなサステナビリティ・リスクとして、「店頭における評判リスク」がある。製品の環境負荷を明らかにする画期的なシステムの発展によって、ブランドの勢力地図が塗り替えられる可能性が目前に迫っているのだ。

 ほとんどの企業は規制リスクや訴訟リスクについてよく知るようになり、それらを回避または管理する方法を学んできた。一方、評判リスクについては、多くの企業はさほど慣れておらず、今後最も重要な問題に発展することも考えられる。ウォルマートが2009年7月に行った発表は、その可能性を象徴するものだ。同社は製品ライフサイクルに関する情報の収集と分析を目的とした中立機関「サステナビリティ・コンソーシアム」と連携し、製品を評価するサステナビリティ・インデックスの開発に着手した。これにより同社の店舗では、かつてないレベルで情報の透明化が進められることになった。セーフウェイやベスト・バイなどの小売り企業も同様の評価システムを導入しようと計画している。

 エコの透明性に関する指標は、以下のような方法で確立される。ウォルマートの自社ブランド部門は7つの既存製品について、サステナビリティに関する4つの側面を評価するようサプライヤーに指示している――(1)資源の使用状況(再生不可能なものを含む)、(2)気候変動への影響、(3)製品がサプライチェーン全体を通して生態系に及ぼす影響、(4)人体の健康に及ぼす影響、である。これらのデータは、買い物客が店頭でブランドを比較できるよう表示されるサステナビリティ評価の基礎になると考えられる。

 このような店頭比較のモデルは、すでに存在する。グッドガイドは200以上のデータベースを基に、製品と企業が環境や健康、社会に及ぼす影響を評価し、格付けしている。評価の対象には、企業が排出する温室効果ガスだけでなく、ビスフェノールA(BPA)やフタル酸エステルといった有害化学物質も含まれる(いずれも米国環境保護庁が最近発表した工業用化学物質のリストに登録されており、今後は消費者向け製品への使用が禁止される)。パーソナルケア製品や食品、玩具など6万品目以上を対象に10段階の評価が行われ(2013年5月現在では14万5000品目を超えている)、ウォルマートによるサステナビリティ・インデックスの概念を具現化するものとなっている。

1
無料プレゼント中! ポーター/ドラッカー/クリステンセン 厳選論文PDF
Special Topics PR
今月のDIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー
最新号のご案内
定期購読
論文オンラインサービス
  • facebook
  • Twitter
  • RSS
DHBR Access Ranking