顧客に秘められた価値を、ビッグデータで明らかにする

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ビッグデータを活用して顧客の行動を明らかにすることは、今や多くの企業にとって必須の課題となりつつある。それをどう活かし何を成すべきかについて、明確なビジョンはあるだろうか。ビル・リーが一貫して主張する「顧客から支援を引き出す」取り組みと、ビッグデータの有用性はぴたりと一致する。


 ビッグデータを活用して顧客の思考を読み取り、顧客が製品やサービス、広告やブランドに対して何を感じ、考え、どう反応するかを明らかしようという努力が進んでいる。だが、ビッグデータを操り活用しようとする企業は道に迷ってしまう可能性もある――まるで、草木がうっそうと生い茂る新大陸を探検する科学者のように。

 我々は、ビッグデータの真のインパクトをようやく理解し始めたばかりだ。この段階で必要となるのは、技術をベースとした調査を始めるときに最も犯しやすい失敗を避けることである。それは、システムの複雑さ、技術的な可能性、導入・運用に際しての障害などに振り回され、方向性を見失うことだ。ビッグデータに取り組む場合、どんなビジネス上の成果を挙げたいのかをしっかり見据えておく必要がある。そして多くの企業が最も望んでいる成果とは、膨大な量の「顧客に秘められた価値」を手にすることだ。したがって、ビッグデータに関してどの企業においても最重要となる問いは、「自社の顧客の本当の価値は、どのくらいなのか」ということだ。

顧客に秘められた価値を明らかにする

 ほとんどの企業が、自社にある備品の値段ならば1セント単位で正確に言えるのに、顧客の真の価値については見当もついていない。これは驚くべきことだ。その企業の取引銀行や投資家も同様である。そして当然ながら、顧客は企業価値の根幹を成す。

 先進的な企業は、顧客の最終的な価値を測るために顧客生涯価値(CLV)の指標を取り入れている。しかし現在のところ、CLVの有効性は限定的だ。製品やサービスの購買から生じる価値しか測れないからだ。ますますネットワーク化が進みソーシャルメディアが浸透する今日、この方法では、購買以外の方法で大きな価値を提供してくれる顧客の大部分を見落とすことになる。購買は顧客が企業のために行う価値創造の一手段にすぎず、しかも最良の手段ではない場合が多い。

 顧客が大きな価値を創出できるのは、彼らこそが企業が最も信頼できて有力なマーケティング資源だからである。顧客は買い手のニーズを最もよく知っている。そしておそらく、事業を成長させるために企業が投入しているどんな資源よりもコストがかからない。企業はビッグデータによってこの現実を把握し、取り組みをこの点に集中させるべきである。

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