マルチタスクをやめる方法と、やめるべき理由

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複数の作業を同時にこなすと、仕事の効率は上がるのか――賛否両論のこの問題を、ブレグマンが複数の研究と自身の経験をふまえて論じる。マルチタスクとは、実は作業を瞬時に切り替えているだけの「スイッチタスク」であるという。


 私が加わっているNPOの実行委員会と、電話会議をしている最中のこと。私は別のクライアントにメールを送ろうとしていた。

 わかっている。懲りない人だなあ、と読者の皆さんは思われるのだろう。先週、私は「運転中の携帯電話は危険」という記事を書いたばかりだ(未訳:英文記事はこちら)。でも今回は車の中ではなく、安全なオフィスにいるのだ。なにか問題があるだろうか。

 というわけで、私はクライアントにメールを送った。しかしファイルの添付を忘れたことに気づいて、もう1通送った。さらに3度目のメールで、添付ファイルが相手の求めていた内容とは別のものである理由を説明した。そして電話会議へと意識を戻した私は、委員長から私に向けられた質問を聞いていなかったことに気づいた。

 誓って言うが、大麻を吸って頭がどんよりしていたわけではない。しかしそれと同じような状態だったかもしれない。ヒューレット・パッカード発表の調査結果によれば、人は仕事中にメールや電話によって邪魔される時、IQが10も下がるという。このIQ(思考力)の低下は徹夜明けの時と同等であり、大麻吸引時の2倍に匹敵するというのだ。

 複数のことを同時にやれば、より多くを達成できる――これは私たちの思い込みにすぎない。それによって生産性は最大40%も下がるという研究結果がある。人は本当のところ、マルチタスクを行っているわけではない。「スイッチタスク」、つまりひとつのタスクから別のタスクに素早く切り替えているだけだ。これによって自分の集中力を自分で非生産的に妨げ、時間を無駄にしているのだ。

 自分はそうじゃない、と思う人もいるだろう。今までさんざんやってきたから大丈夫、訓練によって熟達している、という理由で。

 でも、それは間違いかもしれない。ある研究によれば、重度のマルチタスク従事者は軽度のマルチタスク従事者に比べて、物事を同時に処理する能力が低いという実験結果が出ている。別の言い方をすると、マルチタスクをやればやるほど下手になるということだ。他のあらゆる物事と違って、訓練があだになるのだ。

 そこで、私は実験をしてみることにした。1週間マルチタスクをしなかったら、どうなるだろうか。どんなテクニックが役に立つのか。1つのことに、これほど長く集中できるのか。

 大部分において、それは成功した。電話をしている時は、ただ話し、聞くことだけに集中した。会議中は、他に何もせず会議に集中した。メールやドアのノックなど邪魔するものは、その時やっていることが終わるまで遮断した。

 この1週間を通して、私は6つの発見をした。

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