企業変革の2つのモード(その1)
『プラダを着た悪魔』と『フラガール』

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 わりと前の話だが、出張か何かでどこかに行くフライトの中で映画を2本立て続けに観た。ひとつは『プラダを着た悪魔』、もうひとつは『フラガール』。どちらも面白かったのだが、僕にとってはこの2本の映画の対比がたまらなく面白かった。

 ご存知の方も多いと思うが、それぞれの内容を、僕のうろ覚えに基づいてごく簡単に紹介しておきたい。まずは『プラダを着た悪魔』。名門大学を出たジャーナリスト志望の女性主人公(アン・ハサウェイ)がニューヨークにやってくる。彼女は本来はシリアスな社会問題か(だったかな?文芸方面だったかも)を扱う本格派ジャーナリストになるという志をもっているのだが、とりあえず手にした仕事は有名ファッション雑誌の編集部。希望とはちょっと違うのだが、ジャーナリストになる足がかりの第一歩として、主人公は夢と希望をもってキャリアをスタートさせる。

 ところが仕事を始めてみると、このファッション雑誌のカリスマ女性編集長(メリル・ストリープ)がとんでもない人物だった。鬼編集長のアシスタントとして、ひたすら使いっ走り業務に忙殺される毎日。それだけならまだいいのだが、この女性編集長が悪魔のような暴君(で、プラダを着ている)で、仕事だけでなく自分の私的な用事、身の回りの世話まで理不尽極まりない仕事をバンバン押しつけてくる。これまでにも前任者が何人もついていけなくて辞めている。編集部内はもちろん、ファッション業界に絶大な影響力をもっている超ワンマン編集長だけに、主人公は忍従を強いられる。ジャーナリストになるためのステップとしてひたすら我慢の日々を送るのだが、ついに「これは自分の仕事じゃない!」と決断し退社、本来の希望であった本格派ジャーナリストへの道を歩み出す。

 余談だが、『プラダを着た悪魔』に出てくるファッション雑誌は『ヴォーグ』をモデルにしているというもっぱらの噂だった。原作となった小説の著者、ローレン・ワイズバーガーもかつて同誌の編集長アシスタントをしていたという。ということはメリル・ストリープの演じた「悪魔」もまた『ヴォーグ』のアナ・ウインター編集長をモデルにしているということになる。僕は仕事でウインターさんとちょっとしたつながりがあって、そのときの印象からすると、確かにオーラ全開ではあったが、非常に理知的でロジカルな方で、あまり悪魔感はなかった気がする(ごく薄い接触なので、この辺何とも言えないが)。

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