インドのタイタン時計事業に学ぶ、
イノベーションの3つの教訓

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優れた起業家が多く出始めているインド。世界5位の時計メーカー、タイタン・インダストリーのCOOハリシュ・バートもそのひとりだ。彼の言葉からイノベーションについて学ぶ点は驚くほど多い。

 

「我々は戦略的であることに徹したため、当たり前のことをしている暇はなかったのです」――インドのタイタン・インダストリー時計部門のCOO(最高執行責任者)、ハリシュ・バートの言葉である。

 新たな成長事業の創造に向けた同社の取り組みについて、ほかにも印象に残る言葉をバートから多く聞いた。その中で、これは私が第一に選択した言葉だ。同社の最近の新規成長事業としては、時計事業の2つの商品ライン、女性向けの〈RAGA〉と若者向けの〈ファストラック〉の成功が有名である。

 タイタンはインドの財閥系企業グループの1社で、事業規模は15億ドル。世界第5位の時計メーカーであり、インド国内ではシェア60%を占め、力強い成長を続けている。バートの説明を受けながら、私は次のような教訓を書き留めた。

1.新市場に生き、新市場を体得する

 タイタンにとって、自社が最も影響力を持つ市場セグメントに注力するのはたやすいであろう。だが同社は、成長の可能性がより大きい市場を意識的に追求し続けている。たとえばタイタンの調査によると、インド人女性の時計所有率は20%と低い。同社はRAGAとファストラックの両ブランドにおいて、「最もターゲット顧客のように見える社員」を選び重要なリーダー的役割を与え、ターゲット顧客を深く理解するために多くの時間を費やした。重要なのは、上級役員たちも同じように、市場と顧客を理解するために多くの時間を費やしたということだ。「椅子に座って説明を聞くだけだったり、長ったらしい分析や議論をするなどということはしません。行動するのです」。こうした役員の関与は、その後に大胆な意思決定をする際に役立つ。「経営陣の皆がこうした信念を共有すると、それだけスムーズに物事が進みます」。

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