責任と覚悟を持って技術を判断できる
マネジャー層の厚みが企業の実力

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次の時代に備えて、どのような技術を選択すべきか

 世の中が変化している以上、あらゆる企業において次の時代に備えた技術開発は欠かせません。その土壌づくりやタネまきを怠れば、いずれ報復を受けることになる。このことについては大方の経営者の同意を得られると思いますが、問題はどのような技術を選ぶかです。

 将来を見据えて技術を取捨選択する能力、言い換えれば技術の目利き力を日本企業はどの程度意識的に育ててきたでしょうか。かつては長期的な視点に立ち、技術の発掘・育成プロセスを上手に操っていた企業が、いつの間にかその機能を衰弱させてしまいました。 

東京理科大学教授 イノベーション研究科長
伊丹敬之

 理由は様々でしょう。創業者世代の引退は重要かもしれませんが、ここで注目したいのは技術選択の仕組みです。以下では、「ステージ‐ゲート・プロセス」について説明します。技術経営の陥穽の1つとして、象徴的な例だと考えるからです。

 ステージ‐ゲート・プロセスとは研究開発の成功確率を高めるために、アイデアが事業化に向かう過程でいくつかの“関所”を設け、各段階でチェックするという研究開発マネジメント手法です。もともとは北米生まれの手法ですが、日本でも多くの企業が採用しています(*1)。

 関所を通過するためには、一定の基準をクリアしなければなりません。経営戦略との整合性や市場性、競合に対する優位性などを勘案し、各部門の代表者が出席する会議で「この技術は50点だからダメ」「これは70点だから、次のステージに進んでよし」などとやるわけです。公平で客観的な仕組みのようにも見えますが、そこがクセモノです。

*1 そのメリットとデメリットについては、『技術経営の常識のウソ』(伊丹敬之/東京理科大学MOT研究会編著、日本経済新聞出版社刊)で1章を割いて分析しているので、興味のある方はご一読ください。1つだけ付記しておきますが、この章を執筆したのはMOT専攻の卒業生です。

 

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