開発をリフレームする:
スピーディーな反復プロセスでコンセプトを実現する

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10枚の手紙と封筒があります。はじめに10枚の手紙を折って、次に10枚の手紙を封筒に入れ、最後にまとめて封をする方法と、1枚ずつ手紙を折って、封筒に入れ、封をする方法では、どちらが速く仕上がるでしょうか?

これはバッチ処理と一個流しの比較の問題です。直感的には10枚まとめて仕上げたほうが速いように思えますが、実際には1枚ずつ仕上げたほうが速く仕上がります。ひとつひとつの工程をまとめて処理する場合、同じ作業を繰り返すことで作業に習熟し、それぞれの工程の時間が短くなります。しかし、実際にはそれ以上に、各工程で出来上がった手紙や封筒を並べ直したり、積み重ねたり、次の工程のために移動したりする時間のほうが多くかかるのです。

 仕上がりの時間についていえば、バッチ処理では、作業がすべて完了するまで手紙を一通も出せませんが、1個流しなら、封筒がひとつ完成する毎に出すことができます。

 この問題を、「どちらが速く致命的な問題に気づけるでしょうか?」という質問に変えると、別の側面が際立ってきます。例えば、手紙の折り方を間違えてしまった場合、1個流しなら1枚目の封筒に入れるときに気づくことができますが、バッチ処理の場合は、すべての手紙を折り終わった後でしか間違いに気づけません。

 人間中心イノベーションのプロセスが重視するのはまさにこの部分です。開発プロセスのバッチサイズを小さくすることで、より早く、より多くのことを学ぶことが可能になります。

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