作法をリフレームする:
人類学者の方法に学ぶ

次の問題に答えてください。
0000=0
0123=1
1212=2
1234=2
4444=4
2222=?

答えがわかりましたか? 答えは文末に書いておきますのでのちほどご確認ください。この問題は、数字の意味や計算について詳しくない人のほうが速く解けるかもしれません。ここでお伝えしたいのは、人間はひとつの見方に慣れてしまうと、それ以外の見方ができなくなってしまうということです。
明らかすぎることを見るのは難しい
前回にも述べましたが、人間中心イノベーションが重視するのは、製品がどうあるべきかではなく、顧客の本当の欲求や願望は何か、ということです。技術やビジネスモデルが進化しても、愛されたい、愛したい、認められたい、誰かの役に立ちたい、何かを創り出したいなど、人間の本質的な欲求や願望は変わりません。
しかし、顧客のゴールを特定することはそれほど簡単ではありません。人間は物事に馴れるほど細部を見る能力が高まる一方、明らかなことや大きな絵を見る能力は低下してしまう性質があるからです。製品について熟知するほど製品を改善・改良する能力が高まる反面、培った知識や経験がむしろ顧客の本質的なゴールを理解する妨げになるのです。


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