2013年1月号 特集 戦略をシンプルに 記事詳細

■ 特集 戦略をシンプルに

規模の拡大から質の向上を目指す 低成長時代に有効な戦略はあるか

「戦略を策定する」と言う際、必ずと言っていいほど成長路線が前提になっているのではないか。経営戦略論の系譜をひも解いても、ライフサイクル別の各論はあっても、経済環境別の各論は影が薄いことに気づく。かように経営戦略を語るうえで、右肩上がりの経済が前提になっている。

しかしいまや日本は長期的な低成長期の真っただなかにいる。このような低成長経済において有効な戦略はあるのだろうか。筆者の三品和広教授は、現業の延長線に事業を広げることはけっしてリスクが低いとはいえないと言う。むしろ重要なのは、慣れ親しんだ事業を維持するよりも、たえず挑戦的な要素を事業に加え続けること。合わせて、そのような舵取りのできる経営人材が必要であることを強調する。

人材の育成には時間がかかるので悠長な議論と映るかもしれないが、10年後を見る企業にとって、それが最優先の課題になるであろう。この低成長下の経営戦略論は、世界に先駆けて日本に課された新たな課題である。


三品 和広   神戸大学大学院 経営学研究科 教授

この論文もおすすめします

定期購読のご案内

Special Topics PR
最新号のご案内
定期購読
論文オンラインサービス
  • facebook
  • Twitter
  • RSS
DHBR Access Ranking